紅葉をもとめて 40年ぶりの3人奥穂高

R7(2025).9.29~10.3


大学4年の夏
妹さっちゃんと相棒といった北アルプス


涸沢から北穂、小キレットを通って穂高山荘の横にキャンプを張って、奥穂高登頂。そして重太郎新道を降りるという超過酷なコース。
文句も言わず、にこにこ笑ってついてきてくれた妹。ごめんね。

40年ぶりに一緒に秋の涸沢に行けることになりました。
シニアになった3人。
今回は、涸沢2泊という少しゆったりコースで紅葉を楽しもう!
と思いましたが、やっぱりハードだったね。



9月29日 旅立ちの日

 さぁ、出発!
でも、この日を迎える旅の準備が旅の半分。
荷物も、心も、体も…準備OK
あとは、楽しもう!!
始発から乗ってきたさっちゃんと
のぞみ6号で合流。
新幹線って早い!そして楽!
まずは、乾杯!
楽しくおしゃべりしてたら、あっという間に松本駅。
ここからはアルピコ交通の電車とバスで
いざ!上高地へ。
   
電車で30分。バスで1時間ちょっと。
15:15上高地バスターミナルに着きました。  
15:32 スタート。
さぁ、ここからは一歩一歩。
夢の始まりです。
荷物は重いけど、心は軽い。
山が呼んでます。
  
 小梨平の森を抜けて、山に沿って歩いていきます。
とても素敵な山の道。
でも、5年前キャンプ場に泊まっていた人が襲われてから
近年クマの目撃情報が絶えません。
道沿いに所々クマ鈴が設置されていました。
16:25明神に到着
そこからは川沿いを歩きます。
山の日暮れは早く、すれ違う人もいなくなりました。
なんとか、日暮れまでに徳沢のキャンプ場に着きたい。
黙々と歩きました。
徳沢に着く手前でお猿さんの集団に遭遇。
お猿さんたちは、人間を見慣れているのか堂々としていました。
囲まれなければ、かわいい。
17:19徳沢キャンプ場に到着しました。
暗くなる前にテントも張れて
お約束の乾杯タイム!
がんばった!!

1日目 歩行距離 6.5km 1時間47分


9月30日 涸沢へ

徳沢の朝
放射冷却でかなり冷え込みました。
でも、夜トイレに行く時見た満点の星空が
素晴らしかった!!
ここでもお猿さんたちを見ました。
熊さんには出会いませんように。
7:37 徳沢キャンプ場をスタート。
水が澄んでいて本当にきれい。
去年の7月大洪水があったそうで、
川沿いは大規模な治水工事が進められていました。
こんなところまで、ダンプや重機を運び込むのは
本当に大変だったと思います。
ご苦労様です。
ありがとうございます。
 
8:49 徳沢キャンプ場から4km 横尾に到着しました。
北アルプスは遭難が相次いでいるため
登山の安全確認のためのゲートが設けられていました。
大事なことです。
相棒が事前に登山届を出していてくれたので、
スムーズにゲートを通れました。
ありがとう
そのあと、相棒はインタビューを受けていました。
9:13 横尾出発
 
荷物を背負って歩くさっちゃんの歩みは山やそのもの
たのもしい!!
屏風岩が見えてきました。
かっこいいけど
登るのはちょっと・・・
谷は結構がれて岩がゴロゴロ流れてきていました。
2のガリー
1のガリーは???
すてきな樹木帯の中を歩きます。
標高1200mを超え
木々に守られた登山道は涼しく
ほとんど汗をかきませんでした。
あの頂へ。
10:30本谷橋に到着。
ちょっと一息いれましょう。
結構揺れて怖い本谷橋
行きは横の短い橋を渡りました。
 昨日は、標高1508mの上高地バスターミナルから
標高1562m徳沢キャンプ場まで、標高差は50mほどでしたが、
今日は標高2305m涸沢キャンプ場まで約800mアップです。
本谷からが本当にきつい。
長いパーティを追い越すのに
最後の体力を使い果たしヘロヘロになってしましました。
もう少し。
見えてからが遠い。
最後の急な石段を登りきると、広がる風景
12:07 涸沢ヒュッテに到着しました。
  
 この景色が見たかった。
疲れもふっとびます。
そして、お約束の乾杯!!
一杯1000円の生ビールですが、
ここでこれが飲めるなら惜しくない。
今回お昼は山小屋ご飯と決めていたので、
カレーとラーメンとともに堪能しました。
この景色を見ながらの贅沢なひととき。
がんばったご褒美です。  
 
夕方になって雲が上がってきました。
明日は雨、一時雷雨??
山頂に登りたい気持ちと
不安が胸の中で渦巻きます。
神様、お願い!!
テントの受け付けは16時から。
一人2000円プラス下に敷くコンパネが一枚500円で借りられるようになっていて、
寒さをしのぐのにとてもいい!!
ツアーのガイドさんが
「今日はスカスカですね。」というテン場
  私たちは、道沿いに張りました。
山に囲まれて最高の景色。
トイレが遠いのがちょっと難点。
奥穂高山頂までは、ここから更に800mアップ。
ザイデングラードを越えた先にあります。
あそこを目指したい!!
雲はさらに厚みを増してきました。
明日あそこに登っていけることを信じて、
体力温存。
19時にシュラフに潜り込みました。

2日目 歩行距離 9.1km 標高差 743m 4時間30分


10月1日 奥穂高岳登頂

3:30
テントを出発する山屋の気配に目が覚めました。
耳を澄ましても雨の音は聞こえない。
昨日の天気予報では、午後になるにつれ天候は崩れていく…
ならば、早朝出発すれば山頂まで雨に会わずに行けるのでは・・・

4:00
相棒とさっちゃんに声を掛けました。
昨夜は明るくなってから天候を見極めて出発を判断しようということになっていたので、
唐突な提案に戸惑いながらも
早朝ピークアタックに賛同してくれました。
5:36 涸沢出発
涸沢小屋。
何人かの人が心配そうに空を見上げていました。
天候が崩れることはわかっている。
いつ出発するか。登頂断念も視野に入れて
難しい判断です。
一瞬でしたが、朝日が見れました。
神様が味方してくれるかもしれない。
どうか、無事に上れますように。
朝日に手を合わせます。
  
 
 
 
 朝日とともに浮かび上がる紅葉
この景色が見たかった。
これだけでも、今回の旅の目的は十分果たされているのですが・・
でも、やっぱり山頂に行ってみたい。
祈るような思いでザイデングラードへのがれ道を進みます。
ザイデングラードに入りました。
岩場の連続です。

穂高山荘から降りてくる人たちと
道を譲りあいながら
岩を落とさないように、
慎重に進みます。
 
急登を抜けると少し楽になりますが、
足場が悪く、油断すると谷川に滑り落ちそになります。
穂高山荘が見えてきました。
7:33 穂高山荘に到着しました。
幸い雨はまだ落ちてきていません。
行くなら今しかない。
標高2982mの穂高山荘から
標高3190mの奥穂高岳山頂までは200mアップ
距離にして700mほどですが、
梯子や鎖のある難所です。

混雑するときは、足場のないところで待たなければいけない時もありますが、
この日は、幸い私たち以外登山客はいなかったので、
自分たちのペースで登ることができました。
登り始めてすぐ気温の違いに気づいて
相棒が声をかけてくれました。
雨は降っていませんが、ガスと強風で体温がどんどん奪われます。
いいタイミングで合羽を着こみ、低体温症に備えることができました。
岩をもつ手もかじかんで
だんだんいうことをきかなくなります。
3点指示で
足場を確保しながら一歩一歩登ります。
8:19
奥穂高岳 登頂

山頂到着動画
 
 
周りの景色は、全く見れません。
でも、6度目にして初めて
自分たちだけの貸し切り奥穂高山頂を堪能することができました。
三人占めの山頂で、喜びを分かち合います。

山頂の様子
でも、ゆっくりしていると
ガスと強風でどんどん体温を奪われてしまいます。
何より、
雨が降り出すと、
急な岩場が濡れてさらに難易度が上がってしまう・・
山頂に別れを告げます。
ありがとう。
下りのほうが怖い・・
私もかじかんだ手が感覚を失い
梯子から体が離れてしまいました。
カメラより下りに集中しなくては・・
穂高山荘に入り、ほっと一息
冷えた体に温かい飲み物が染み渡ります。
結局山頂往復ですれ違ったのは4人だけ。
山荘には天候回復を信じて待つ人たちがいました。
雨が降り出す前にザイデングラードを降りなくては・・
9:28穂高山荘を出発しました。
神様が味方してくださって
雨が本格的に落ちだす前に
ザイデングラードを抜けることができました。
帰りはパノラマコースへ。
雨が降りだしました。
標高が500m違うと、雨でも暖かく感じます。
でも、岩が濡れて、思わぬところで足をすくわれます。
最後まで慎重に慎重に。
パノラマコースでも紅葉が楽しめました。
でも、思ったより長くて
だんだん足がつらくなってきました。
11:35 涸沢に降りてきました。
6時間、天気とにらめっこをしながらのチャレンジでしたが、
怪我無く無事に、登頂を果たして帰ってこれました。
やはり、あの出発のタイミングを逃すと
今日は登頂できていなかったかもしれません。
みんなよくがんばった!
雨が本降りになってきて、
昨日は大賑わいだったテラスにも人影がありません。
ここでも、やっぱりお約束の乾杯
雨交じりのおでんも美味しい!
14:00
土砂降りになりました。

その頃私たちは
叩きつける雨の音を聞きながら、暖かいテントでまったり。
ここはもうおうちです。
17時雨がやみました。
明日の天気予報は晴れ。
それを期待して、多くの人が上がってきました。
明日の奥穂高山頂はきっと大賑わい。
私たちだけが見た今日の山頂は貴重だったかも・・。
山の余韻に浸りながら、今日も早々に寝袋にin。ZZZZ

3日目 歩行距離 4.8km 標高差885m 6時間


10月2日 上高地へ

夜トイレに行くのはつらいけど、
満天の星を見れるのは嬉しい。
今日の天候は晴れなので、
3時ごろから山頂に向けて出発する人の気配がしていました。
私たちも5時には
もう寝ていられない。
体内時計も山時間です。
この景色だと朝焼けが見られるかも…
今日の朝ご飯は、山を見ながらに決定!!
カメラ片手に朝ご飯。
涸沢小屋にも煌々と明かりがつきました。
さぁ、山が起きだします。
朝日が少しずつ空を照らすにつれて・・・
 
 5:44 
 
 5:49 
 
 5:51
 
 5:53
 
 5:54
 
 5:57
刻々と変わっていく山の色。
カメラが手放せません。
でも、この目で見た色と感動は再現できない。
 
山の色どりに魅せられて、本当に贅沢な1時間でした。

名残は尽きませんが、
今日は、2日かけて歩いてきた行程を一日で歩かなければいけません。
さぁ、下りよう
7:21 涸沢をあとにしました。
 急な下りに足を取られないように気を付けながら
この山を目に焼き付けたい・・
そんな思いで、またシャッターを切ります。
たくさんの人たちとすれ違い、
挨拶を交わしながら一歩一歩。
山にかける思いはみな同じ。
本谷橋まで下りてきました。
帰りはあっという間です。
ここからはほぼ平坦な道。
登ってくる人に道を譲りながら・・
でも、待つタイミングも結構難しい。
行きに見つけられなかった。
これが、1のガリーかな?
製材所跡と書かれています。
どうやって、伐採した木を運んだのでしょう。

もうすぐ横尾

10:08 横尾までおりてきました。
長くて急な下り
足にきています。
ちょっとわかりづらいけど、
帰りも猿に会うことができました。
横尾で感じた疲れは
歩くたびに増幅されていきました。
徳沢に着く頃は
奥ちゃんも私も
肩に腰に痛みが…
さっちゃんも同じだと思うのに、
泣き言ひとつ言わない。
大学のころも今も
本当に強い。
11:12 徳沢着
ここでしっかり栄養補給と休憩を取るべきでした。
たまっていた疲れが更に・・・
憧れの徳本峠
次の日、新島々へ向かうバスの中で
来年行く計画を練りました。
12:13 明神着
ここでお昼を取るつもりでしたが、
値段があまりにも・・
山の上なら惜しくないのですが…
上高地までもうひと踏ん張り
 
 川から分かれて森の中に入ると小梨平は近い。
がんばれ!自分
 
13:13
小梨平キャンプ場に着きました。
約6時間
14.6kmの道のりを歩き切りました。
ビジターセンターで奥ちゃんはキノコの本を購入。
河童橋の向こうのアイスクリーム、美味しかった。
お土産を買って、お風呂にも入って
人になりました。
その夜は小梨平食堂で、奥PARAは
生ビールを2本*2プラス日本酒とワインまで飲んでしまいました。
酔っぱらいの二人に、やっぱりにこにこ付き合ってくれるさっちゃん。
本当にありがとう。

4日目 歩行距離 14.6km 標高793mダウン 6時間


10月3日 終わりは始まり

5:24  
 5:25
 
 5:34
 5:40
 
 5:53
 
 5:54
 
 5:55
 
 6:02
 
 6:30
 コーヒーを飲みながら山焼けを見る一時間
本当に贅沢で、幸せな時間でした。
一緒に来れて、一緒にこの時間を過ごせて
本当に良かった
 
   
やっぱりここは私たちの大切な場所
いつもありがとう
 
 
 今回初めてここから見える山の名前が正確にわかりました。
7:04 小梨平を後にしました。  
7:50上高地発 9:22新島々発
5日間 合計距離 34.8km 獲得標高2059m 累計時間18:17

よく歩いたね。
何よりさっちゃんの忍耐力と根性がすごかった。
私たちも、また体を鍛えよう。
まだまだ行きたいところがあるから。
終わりは始まり。
また、一緒に。。。To Be Contunitud

40年前のツアー

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